カニューレ刺激による気管狭窄に対し鹿野式声門閉鎖術を施行した症例

症例は33歳男性。25歳時に服毒自殺を図り,四肢麻痺を呈し,気管切開を施行された。著明な気管孔肉芽と,気管カニューレの先端の刺激による気管狭窄を来し,誤嚥による肺炎が頻回に見られた。始めに鹿野式の声門閉鎖術と輪状軟骨鉗除による気管孔形成術を施行した。手術後気管カニューレが不要で,吸引回数も減少し,気管狭窄の悪化を防ぐことができた。8年ぶりに経口摂取を再開した。現在気管内ステントの留置を検討している。本術式は誤嚥防止に加え,確実にカニューレフリーを実現する術式で気管カニューレに伴う様々なトラブルを予防することができ,有用であると思われた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 28; no. 3; pp. 301 - 306
Main Authors 山下, 拓, 清野, 由輩, 鹿野, 真人, 細野, 浩史, 大原, 卓哉, 古木, 省吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2019
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.28.301

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Summary:症例は33歳男性。25歳時に服毒自殺を図り,四肢麻痺を呈し,気管切開を施行された。著明な気管孔肉芽と,気管カニューレの先端の刺激による気管狭窄を来し,誤嚥による肺炎が頻回に見られた。始めに鹿野式の声門閉鎖術と輪状軟骨鉗除による気管孔形成術を施行した。手術後気管カニューレが不要で,吸引回数も減少し,気管狭窄の悪化を防ぐことができた。8年ぶりに経口摂取を再開した。現在気管内ステントの留置を検討している。本術式は誤嚥防止に加え,確実にカニューレフリーを実現する術式で気管カニューレに伴う様々なトラブルを予防することができ,有用であると思われた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.28.301