食道閉鎖症を伴う喉頭気管食道裂Ⅳ型に対する手術治療の経験

喉頭気管食道裂は呼吸窮迫,誤嚥性肺炎等の症状を呈し,同時に多臓器形成異常を合併することが少なくない。今回,われわれは,重症心奇形を合併することにより早急な心臓手術が必要であるが,Gross C型食道閉鎖症を伴う喉頭気管食道裂Ⅳ型により誤嚥性肺炎が遷延し,心臓手術の施行が困難である症例を経験した。本症例では患児が1歳7か月の時点で喉頭気管分離術を施行することにより肺炎のコントロールが良好となり,心奇形に対する手術が無事施行され,現在は退院し自宅で生活している。多臓器形成異常を合併する本疾患に対する治療は,呼吸器症状に対する治療ばかりでなく,各合併奇形に対する手術時期・術式などを総括的に考慮するこ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 2; pp. 253 - 258
Main Authors 宮澤, 徹, 安井, 良僚, 辻, 裕之, 三輪, 高喜, 下出, 祐造, 河野, 美幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.26.253

Cover

More Information
Summary:喉頭気管食道裂は呼吸窮迫,誤嚥性肺炎等の症状を呈し,同時に多臓器形成異常を合併することが少なくない。今回,われわれは,重症心奇形を合併することにより早急な心臓手術が必要であるが,Gross C型食道閉鎖症を伴う喉頭気管食道裂Ⅳ型により誤嚥性肺炎が遷延し,心臓手術の施行が困難である症例を経験した。本症例では患児が1歳7か月の時点で喉頭気管分離術を施行することにより肺炎のコントロールが良好となり,心奇形に対する手術が無事施行され,現在は退院し自宅で生活している。多臓器形成異常を合併する本疾患に対する治療は,呼吸器症状に対する治療ばかりでなく,各合併奇形に対する手術時期・術式などを総括的に考慮することが重要である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.253