Fournier症候群を呈しAPR後に局所再発した下部直腸未分化癌の1例
症例は65歳,男性.下血にて前医で下部消化管内視鏡検査を施行され,歯状縁より3cmの下部直腸に全周性の病変を認めた.貧血の進行と臀部の潰瘍形成を認めたため,当院に救急搬送となった.血液検査で貧血と炎症反応の上昇を認め,造影CT検査で直腸の全周性の壁肥厚と会陰部~右鼠径部の皮下軟部組織への空気像の波及がみられ,直腸癌穿孔によるFournier症候群と診断した.同日,横行結腸双孔式人工肛門造設,会陰部デブリードメントを施行したが,腫瘍出血が持続するため,翌日開腹による腹会陰式直腸切断術,S状結腸単孔式人工肛門造設を施行した.病理組織学的検査で未分化癌(pT3N1M0 pStage IIIa,剥離面...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 79; no. 12; pp. 2469 - 2473 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2018
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.79.2469 |
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Summary: | 症例は65歳,男性.下血にて前医で下部消化管内視鏡検査を施行され,歯状縁より3cmの下部直腸に全周性の病変を認めた.貧血の進行と臀部の潰瘍形成を認めたため,当院に救急搬送となった.血液検査で貧血と炎症反応の上昇を認め,造影CT検査で直腸の全周性の壁肥厚と会陰部~右鼠径部の皮下軟部組織への空気像の波及がみられ,直腸癌穿孔によるFournier症候群と診断した.同日,横行結腸双孔式人工肛門造設,会陰部デブリードメントを施行したが,腫瘍出血が持続するため,翌日開腹による腹会陰式直腸切断術,S状結腸単孔式人工肛門造設を施行した.病理組織学的検査で未分化癌(pT3N1M0 pStage IIIa,剥離面陽性)と診断された.術後第12病日に会陰創に出血を伴う集簇結節を認め,同部位からの生検で未分化癌と診断された.短期間に腫瘍の増大・出血がみられ,緩和治療目的に前医に転院となったが,術後第25病日に原病死した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.79.2469 |