一期的乳房再建を施行した原発性乳腺血管肉腫の1例

症例は27歳,女性.右乳房腫瘤および疼痛を主訴に近医受診.針生検にて良性腫瘍と診断された.増大傾向を認めたため当院を受診した.受診時,触診では右AC領域に約5cmの弾性軟,可動性良好な腫瘤を触知した.超音波ガイド下に吸引式組織生検(マンモトーム®)にて乳腺血管性腫瘍と診断されたため,腫瘍摘出術を施行した.病理診断はintermediate gradeの原発性乳腺血管肉腫であった.病理学的断端陽性が疑われたため,残存乳房切除術および組織拡張器挿入による一期的乳房再建を施行した.術後補助療法として,weekly paclitaxelを12回施行し,現在経過観察中である.原発性乳腺血管肉腫は比較的ま...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 3; pp. 604 - 607
Main Authors 小田, 剛史, 桑山, 隆志, 佐藤, 隆宣, 久保田, 一徳, 杉原, 健一, 河内, 洋, 中川, 剛士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.604

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Summary:症例は27歳,女性.右乳房腫瘤および疼痛を主訴に近医受診.針生検にて良性腫瘍と診断された.増大傾向を認めたため当院を受診した.受診時,触診では右AC領域に約5cmの弾性軟,可動性良好な腫瘤を触知した.超音波ガイド下に吸引式組織生検(マンモトーム®)にて乳腺血管性腫瘍と診断されたため,腫瘍摘出術を施行した.病理診断はintermediate gradeの原発性乳腺血管肉腫であった.病理学的断端陽性が疑われたため,残存乳房切除術および組織拡張器挿入による一期的乳房再建を施行した.術後補助療法として,weekly paclitaxelを12回施行し,現在経過観察中である.原発性乳腺血管肉腫は比較的まれな疾患であり,診断に難渋することが多い.また一期的乳房再建を施行した報告も少ない.若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.604