Modified Killian法が診断に有用であった下咽頭梨状陥凹瘻の一症例
下咽頭梨状陥凹瘻において咽頭側の瘻孔を確認することは容易ではない。今回,われわれは瘻孔開口部の確認方法として,modified Killian(MK)法が有用であった1例を経験したので報告する。症例は55歳女性,20年前に左側下咽頭梨状陥凹瘻に対し甲状腺左葉切除が施行された。当科を受診する1か月前から発赤のある左前頸部腫脹が出現し,下咽頭梨状陥凹瘻の再発が疑われたため,当科紹介となった。通常の体位では瘻孔を確認できなかったが,MK体位で左梨状陥凹を観察すると瘻孔の開口部を確認することができた。全身麻酔下で経口腔的に瘻孔閉鎖術を行い,術後1年4か月,再発を認めていない。MK法は下咽頭梨状陥凹瘻の...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 30; no. 2; pp. 229 - 232 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2020
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Subjects | |
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ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.30.229 |
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Summary: | 下咽頭梨状陥凹瘻において咽頭側の瘻孔を確認することは容易ではない。今回,われわれは瘻孔開口部の確認方法として,modified Killian(MK)法が有用であった1例を経験したので報告する。症例は55歳女性,20年前に左側下咽頭梨状陥凹瘻に対し甲状腺左葉切除が施行された。当科を受診する1か月前から発赤のある左前頸部腫脹が出現し,下咽頭梨状陥凹瘻の再発が疑われたため,当科紹介となった。通常の体位では瘻孔を確認できなかったが,MK体位で左梨状陥凹を観察すると瘻孔の開口部を確認することができた。全身麻酔下で経口腔的に瘻孔閉鎖術を行い,術後1年4か月,再発を認めていない。MK法は下咽頭梨状陥凹瘻の内瘻の確認に有用と思われた。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.30.229 |