急性膿胸を生じた第一第二鰓弓症候群の治療経験

第一第二鰓弓症候群は,顔面,耳,口腔,脊椎などに変形を生じる先天性奇形である.上気道を含む複数臓器の形成異常を合併するため,呼吸器疾患を生じた場合,治療に困難をきたす場合が多い.症例は24歳女性.第一第二鰓弓症候群で他院に通院中であった.2019年9月,発熱と食欲低下を訴え近医を受診.抗生剤を3日間投与されたが改善は認められず,当院紹介となった.胸部単純X線写真で右大量胸水を認め,造影CT検査で急性膿胸と診断し,ただちに胸腔鏡下膿胸腔掻爬・ドレナージ術を行った.手術後の経過は良好で術後10日目に退院した.急性膿胸を生じた第一第二鰓弓症候群患者の治療を経験したので報告する....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 1; pp. 75 - 80
Main Authors 蜂須賀, 康己, 藤岡, 真治, 魚本, 昌志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.2021
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Summary:第一第二鰓弓症候群は,顔面,耳,口腔,脊椎などに変形を生じる先天性奇形である.上気道を含む複数臓器の形成異常を合併するため,呼吸器疾患を生じた場合,治療に困難をきたす場合が多い.症例は24歳女性.第一第二鰓弓症候群で他院に通院中であった.2019年9月,発熱と食欲低下を訴え近医を受診.抗生剤を3日間投与されたが改善は認められず,当院紹介となった.胸部単純X線写真で右大量胸水を認め,造影CT検査で急性膿胸と診断し,ただちに胸腔鏡下膿胸腔掻爬・ドレナージ術を行った.手術後の経過は良好で術後10日目に退院した.急性膿胸を生じた第一第二鰓弓症候群患者の治療を経験したので報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.35.75