動脈血二酸化炭素分圧と呼気終末二酸化炭素分圧との間に著明な解離をきたした腹腔鏡下大腸切除術の1例

気腹後に, 動脈血二酸化炭素分圧 (PaCO2) と呼気終末二酸化炭素分圧 (PETCO2) の差 (Δa-ETCO2) の著明な開大を示した腹腔鏡下大腸切除術の1例を経験した. 気腹前から存在した換気血流不均衡が長時間の気腹により悪化し, Δa-ETCO2の著しい開大を呈したものと考えられた. 腹腔鏡下大腸切除術は, 従来の腹腔鏡下手術と比較して気腹が長時間となることが多く, 手術中にΔa-ETCO2が変化する症例の増加が予想される. このような症例に対しては, 術中PETCO2だけでなく, PaCO2の測定が重要であると考えられた....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 82 - 85
Main Authors 田中, 具治, 古谷, 秀勝, 播岡, 徳也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2006
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Summary:気腹後に, 動脈血二酸化炭素分圧 (PaCO2) と呼気終末二酸化炭素分圧 (PETCO2) の差 (Δa-ETCO2) の著明な開大を示した腹腔鏡下大腸切除術の1例を経験した. 気腹前から存在した換気血流不均衡が長時間の気腹により悪化し, Δa-ETCO2の著しい開大を呈したものと考えられた. 腹腔鏡下大腸切除術は, 従来の腹腔鏡下手術と比較して気腹が長時間となることが多く, 手術中にΔa-ETCO2が変化する症例の増加が予想される. このような症例に対しては, 術中PETCO2だけでなく, PaCO2の測定が重要であると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.26.82