医師の立場から(急性期)
急性期重症患者の栄養管理の目的は除脂肪体重量の維持にある。この目的に栄養アセスメントは重要な位置を占めてくる。しかし急性炎症反応による血管透過性の亢進、輸液負荷などにより伝統的な栄養アセスメント法である身体計測、アルブミン値、Rapid turnover proteinの有効性は消失してしまう。また基本的な病歴聴取も不可能な場合が多くなる。このような状態での栄養アセスメントのためには疾患の重症度、全身炎症反応の程度、これらによってもたらされるストレス誘導性高血糖などの病態を理解し、早期経腸栄養など適切な栄養療法を選択する必要がある。また栄養療法に伴って生じるRefeeding症候群などを理解し...
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Published in | 静脈経腸栄養 Vol. 27; no. 3; pp. 867 - 874 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈経腸栄養学会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 1344-4980 1881-3623 |
DOI | 10.11244/jjspen.27.867 |
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Summary: | 急性期重症患者の栄養管理の目的は除脂肪体重量の維持にある。この目的に栄養アセスメントは重要な位置を占めてくる。しかし急性炎症反応による血管透過性の亢進、輸液負荷などにより伝統的な栄養アセスメント法である身体計測、アルブミン値、Rapid turnover proteinの有効性は消失してしまう。また基本的な病歴聴取も不可能な場合が多くなる。このような状態での栄養アセスメントのためには疾患の重症度、全身炎症反応の程度、これらによってもたらされるストレス誘導性高血糖などの病態を理解し、早期経腸栄養など適切な栄養療法を選択する必要がある。また栄養療法に伴って生じるRefeeding症候群などを理解し、常に栄養療法の効果、合併症についてアセスメントを繰り返すことが重要と考えられる。 |
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ISSN: | 1344-4980 1881-3623 |
DOI: | 10.11244/jjspen.27.867 |