長期生存している膵頭部癌肉腫の1例

症例は61歳,男性.腹痛にて受診し急性膵炎の診断で入院.精査にて膵頭部に腫瘤を認め,膵頭部膵管内乳頭粘液性腫瘍主膵管型の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本肉眼所見では膵頭部主膵管内に充満する0.5×0.3×4 cm大の腫瘤を認め,病理組織検査では,膵管および腫瘤の表面を被覆する癌細胞と,間質では単核~多核の異型細胞が増殖し破骨型多核巨細胞を認め,類骨を伴い骨肉腫の成分が認められ,癌肉腫と診断した.術後5年以上にわたり無再発生存中である.膵由来の癌肉腫は極めてまれで,またそのほとんどは予後不良であり長期生存している報告はこれまでになく,若干の考察を加え報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 11; pp. 3182 - 3186
Main Authors 有元, 淳記, 長谷川, 洋, 小松, 俊一郎, 坂本, 英至, 法水, 信治, 都築, 豊徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.3182

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Summary:症例は61歳,男性.腹痛にて受診し急性膵炎の診断で入院.精査にて膵頭部に腫瘤を認め,膵頭部膵管内乳頭粘液性腫瘍主膵管型の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本肉眼所見では膵頭部主膵管内に充満する0.5×0.3×4 cm大の腫瘤を認め,病理組織検査では,膵管および腫瘤の表面を被覆する癌細胞と,間質では単核~多核の異型細胞が増殖し破骨型多核巨細胞を認め,類骨を伴い骨肉腫の成分が認められ,癌肉腫と診断した.術後5年以上にわたり無再発生存中である.膵由来の癌肉腫は極めてまれで,またそのほとんどは予後不良であり長期生存している報告はこれまでになく,若干の考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.3182