切除後に有茎空腸粘膜パッチ再建した神経線維腫症1型合併十二指腸GISTの1例

症例は神経線維腫症1型(NF1)の57歳,女性.55歳時に子宮筋腫・空腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)に対し,腹式子宮全摘・両側付属器摘出および空腸楔状切除術が施行された.術後2年5カ月目に十二指腸下行脚にGISTを認めたため,切除する方針とした.十二指腸局所切除を行ったが,壁欠損部が大きく一次縫合閉鎖では変形・狭窄をきたす可能性が高いため,有茎空腸を作成し空腸粘膜パッチによる再建を行った.術後透視で再建部位に変形・狭窄は認めず,経過良好であった.NF1患者の7%にGISTが合併し,多発しやすく低悪性と報告されている.その多くは小腸に発生すると報告され...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 11; pp. 2018 - 2022
Main Authors 東, 友理, 柄田, 智也, 山崎, 祐樹, 青木, 竜也, 加治, 正英, 清水, 康一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.80.2018

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Summary:症例は神経線維腫症1型(NF1)の57歳,女性.55歳時に子宮筋腫・空腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)に対し,腹式子宮全摘・両側付属器摘出および空腸楔状切除術が施行された.術後2年5カ月目に十二指腸下行脚にGISTを認めたため,切除する方針とした.十二指腸局所切除を行ったが,壁欠損部が大きく一次縫合閉鎖では変形・狭窄をきたす可能性が高いため,有茎空腸を作成し空腸粘膜パッチによる再建を行った.術後透視で再建部位に変形・狭窄は認めず,経過良好であった.NF1患者の7%にGISTが合併し,多発しやすく低悪性と報告されている.その多くは小腸に発生すると報告されているが,病変が十二指腸の場合はその術式や再建法が問題となる.今回われわれはNF1に合併した十二指腸GISTに対し,局所切除および有茎空腸粘膜パッチを用いた再建を行い,良好な結果が得られたので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.2018