頸部に進展した胸腺囊腫の1例

胸腺囊腫の多くは胎生期胸腺組織の遺残に由来する先天性疾患と考えられ,頸部に見られるものはまれである。われわれは今回,71歳女性の腺腫様甲状腺腫に合併した胸腺囊腫の1例を経験した。CT・MRIでは左上縦隔から頸部に至る囊胞様腫瘤を認めた。手術では頸部からのアプローチで,この腫瘤を切除した。胸腺囊腫は一般に臨床症状に乏しいが,時に気道閉塞症状を示し,また癌化することが報告されている。したがって早期の診断と手術が重要であると思われる。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 24; no. 2; pp. 231 - 234
Main Authors 岩井, 大, 岡崎, はるか, 馬場, 奨, 友田, 幸一, 河内, 理咲, 小西, 将矢, 安藤, 奈央美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2014
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.24.231

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Summary:胸腺囊腫の多くは胎生期胸腺組織の遺残に由来する先天性疾患と考えられ,頸部に見られるものはまれである。われわれは今回,71歳女性の腺腫様甲状腺腫に合併した胸腺囊腫の1例を経験した。CT・MRIでは左上縦隔から頸部に至る囊胞様腫瘤を認めた。手術では頸部からのアプローチで,この腫瘤を切除した。胸腺囊腫は一般に臨床症状に乏しいが,時に気道閉塞症状を示し,また癌化することが報告されている。したがって早期の診断と手術が重要であると思われる。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.24.231