根治的恥骨後前立腺摘除術後に発症した鼠径ヘルニアの検討

根治的恥骨後前立腺摘除術(以下RRP)は鼠径ヘルニア(以下ヘルニア)の一因と考えられている.今回,当院におけるRRP後のヘルニアの特徴についてretrospectiveに検討した.成人男性初回ヘルニア手術症例314例(357鼠径)についてRRP既往の有無により,既往群24例(33鼠径),対照群290例(324鼠径)に分け比較解析したところ,既往群では両側発症が有意に多く(既往群37.5%,対照群11.7%),全例が外鼠径ヘルニアであった.それらに対する根治術式としてmesh-plug法が大部分を占めていた.RRP施行後からヘルニア発症までの月数中央値は11カ月であった.当院におけるRRP後ヘル...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 11; pp. 2968 - 2973
Main Authors 佐々木, 賢一, 斎藤, 慶太, 奥谷, 浩一, 宇野, 智子, 平田, 公一, 渋谷, 均
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.2968

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Summary:根治的恥骨後前立腺摘除術(以下RRP)は鼠径ヘルニア(以下ヘルニア)の一因と考えられている.今回,当院におけるRRP後のヘルニアの特徴についてretrospectiveに検討した.成人男性初回ヘルニア手術症例314例(357鼠径)についてRRP既往の有無により,既往群24例(33鼠径),対照群290例(324鼠径)に分け比較解析したところ,既往群では両側発症が有意に多く(既往群37.5%,対照群11.7%),全例が外鼠径ヘルニアであった.それらに対する根治術式としてmesh-plug法が大部分を占めていた.RRP施行後からヘルニア発症までの月数中央値は11カ月であった.当院におけるRRP後ヘルニア発症率は23.0%であり,過去報告範囲内ではあるものの高率であることから,予防策が必要であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.2968