オトガイ下皮弁により拡大喉頭全摘出後の咽頭再建を行った 高齢声門上癌の2例

高齢者に対する高侵襲手術では重篤な合併症のリスクが高くなる。今回われわれは,拡大切除を要する高齢声門上癌2例に対し低侵襲な再建法としてオトガイ下皮弁を適用し,有用と考えたので報告する。 症例1は放射線治療後再発(rT4aN0M0)の89歳男性,症例2は初発(cT3N2cM0)の84歳男性であった。いずれも舌根と片側梨状陥凹へ腫瘍進展を認め,拡大喉頭全摘出後に症例1は8×4cm,症例2は11×3.5cmの本皮弁により咽頭再建した。症例1は術後22か月で原病死し,症例2は術後17か月無病生存中である。 手術侵襲が懸念されるような症例において咽頭再建を要する場合,本皮弁は有用な選択肢のひとつである。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 29; no. 3; pp. 311 - 320
Main Authors 山下, 拓, 宮本, 俊輔, 加納, 孝一, 堤, 翔平, 鈴木, 綾子, 清野, 由輩, 松木, 崇, 籾山, 香保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2020
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.29.311

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Summary:高齢者に対する高侵襲手術では重篤な合併症のリスクが高くなる。今回われわれは,拡大切除を要する高齢声門上癌2例に対し低侵襲な再建法としてオトガイ下皮弁を適用し,有用と考えたので報告する。 症例1は放射線治療後再発(rT4aN0M0)の89歳男性,症例2は初発(cT3N2cM0)の84歳男性であった。いずれも舌根と片側梨状陥凹へ腫瘍進展を認め,拡大喉頭全摘出後に症例1は8×4cm,症例2は11×3.5cmの本皮弁により咽頭再建した。症例1は術後22か月で原病死し,症例2は術後17か月無病生存中である。 手術侵襲が懸念されるような症例において咽頭再建を要する場合,本皮弁は有用な選択肢のひとつである。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.29.311