鏡視下手術で治療した胃軸捻を伴う横隔膜傍裂孔ヘルニアの1例

症例は77歳,女性.食後の嘔吐を主訴に前医を受診し,上部消化管内視鏡検査および造影検査で胃軸捻と診断され,当科紹介となった.CT所見で横隔膜の裂孔(ヘルニア門)より胃体部が胸腔内に脱出し,ヘルニア門と食道裂孔との間には横隔膜組織の介在を認めた.以上より胃軸捻を伴う横隔膜傍裂孔ヘルニアと診断した.内視鏡的整復は困難であったため,腹腔鏡下に脱出した胃体部と肝外側区域を腹腔内へ還納後,ヘルニア門を縫合閉鎖した.術後,逆流性食道炎(ロサンゼルス分類D)を併発したが保存的治療で軽快した.術後20日目に退院し,術後6カ月の現在まで再発なく経過良好である....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 10; pp. 2515 - 2518
Main Authors 柿添, 学, 長田, 俊一, 菅江, 貞亨, 長谷川, 誠司, 小尾, 芳郎, 阿部, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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Summary:症例は77歳,女性.食後の嘔吐を主訴に前医を受診し,上部消化管内視鏡検査および造影検査で胃軸捻と診断され,当科紹介となった.CT所見で横隔膜の裂孔(ヘルニア門)より胃体部が胸腔内に脱出し,ヘルニア門と食道裂孔との間には横隔膜組織の介在を認めた.以上より胃軸捻を伴う横隔膜傍裂孔ヘルニアと診断した.内視鏡的整復は困難であったため,腹腔鏡下に脱出した胃体部と肝外側区域を腹腔内へ還納後,ヘルニア門を縫合閉鎖した.術後,逆流性食道炎(ロサンゼルス分類D)を併発したが保存的治療で軽快した.術後20日目に退院し,術後6カ月の現在まで再発なく経過良好である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.2515