外傷後喉頭狭窄に対し喉頭截開術が有効であった1例

27歳女性。頸部外傷による長期挿管後,気管切開された。輪状軟骨は両側で骨折し,輪状甲状関節も両側で脱臼し甲状軟骨は後方へ偏位していた。声帯前方は癒着し,声帯突起から披裂間部に声門間隙を認め,両側声帯の可動制限を認めた。気管孔閉鎖の希望があり,狭窄部位の評価と治療方針の検討目的に直達喉頭鏡下に観察を行った。声帯前方は癒着し,声門から声門下に瘢痕組織を認めた。輪状披裂関節の固着や後連合の瘢痕化はなく,喉頭截開術により瘢痕組織を除去すれば声帯の可動性が改善し,声門が拡大すると考えた。喉頭截開術を行い瘢痕を除去し喉頭皮膚瘻を形成した。声門は開大し,半年後に喉頭皮膚瘻を閉鎖した。気管孔閉鎖も予定している...

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Published in頭頸部外科 Vol. 31; no. 1; pp. 105 - 110
Main Authors 矢部, はる奈, 田山, 二朗, 高岡, 美渚季
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2021
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.31.105

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Summary:27歳女性。頸部外傷による長期挿管後,気管切開された。輪状軟骨は両側で骨折し,輪状甲状関節も両側で脱臼し甲状軟骨は後方へ偏位していた。声帯前方は癒着し,声帯突起から披裂間部に声門間隙を認め,両側声帯の可動制限を認めた。気管孔閉鎖の希望があり,狭窄部位の評価と治療方針の検討目的に直達喉頭鏡下に観察を行った。声帯前方は癒着し,声門から声門下に瘢痕組織を認めた。輪状披裂関節の固着や後連合の瘢痕化はなく,喉頭截開術により瘢痕組織を除去すれば声帯の可動性が改善し,声門が拡大すると考えた。喉頭截開術を行い瘢痕を除去し喉頭皮膚瘻を形成した。声門は開大し,半年後に喉頭皮膚瘻を閉鎖した。気管孔閉鎖も予定している。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.31.105