気管支充填とVAC療法を併用した非結核性抗酸菌症に伴う有瘻性膿胸の1例
非結核性抗酸菌症(non-tuberculous mycobacteriosis,NTM)の空洞破裂に伴う有瘻性膿胸は難治性であり,開窓術を余儀なくされることが多い.今回,NTMに伴う有瘻性膿胸に対し開窓術とEndobronchial Watanabe Spigot (EWS)による気管支充填術を併用することで陰圧閉鎖療法が可能となり,感染の制御と比較的早期の開窓腔自然閉鎖が得られた症例を経験した.症例は64歳,男性.NTM症の空洞病変破裂に伴う有瘻性膿胸のため呼吸器外科紹介となった.胸部CTでは臓側胸膜直下に認めた空洞病変の胸腔内穿破が確認された.開窓術とEWSを用いた気管支充填術を行ったと...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 10; pp. 1989 - 1994 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2020
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.81.1989 |
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Summary: | 非結核性抗酸菌症(non-tuberculous mycobacteriosis,NTM)の空洞破裂に伴う有瘻性膿胸は難治性であり,開窓術を余儀なくされることが多い.今回,NTMに伴う有瘻性膿胸に対し開窓術とEndobronchial Watanabe Spigot (EWS)による気管支充填術を併用することで陰圧閉鎖療法が可能となり,感染の制御と比較的早期の開窓腔自然閉鎖が得られた症例を経験した.症例は64歳,男性.NTM症の空洞病変破裂に伴う有瘻性膿胸のため呼吸器外科紹介となった.胸部CTでは臓側胸膜直下に認めた空洞病変の胸腔内穿破が確認された.開窓術とEWSを用いた気管支充填術を行ったところ,術後から気漏はほぼ消失した.胸腔内の浄化が得られた術後80日目にVAC療法を追加したところ,開窓腔の狭小化と肺の拡張,胸壁への癒着形成が得られた.追加の閉鎖術を行うことなく開窓腔は自然に閉鎖した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.81.1989 |