腹腔鏡下に切除した完全内臓逆位を伴う上行結腸癌の1例

症例は56歳,女性.幼少時から完全内臓逆位症を指摘されていた.検診で便潜血陽性のため近医で大腸内視鏡検査を施行したところ,上行結腸に径4cm大の側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor;以下LST)を指摘され,根治手術目的に当科紹介となった.3D-CT画像で脈管系に逆位以外の変異がないことを確認したうえで,腹腔鏡補助下結腸切除術を施行した.術後経過は良好であり,術後11日目に退院となった.病理組織検査で腫瘍は高分化腺癌,fTis(M),fN0,fH0,fM0,fP0,fStage 0の診断であった.3D-CTは血管奇形の有無やvariation,消化管の位置・支配血管...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 11; pp. 2749 - 2753
Main Authors 宮城, 良浩, 堤, 綾乃, 堤, 真吾, 赤松, 道成, 比嘉, 宇郎, 照屋, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2015
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Summary:症例は56歳,女性.幼少時から完全内臓逆位症を指摘されていた.検診で便潜血陽性のため近医で大腸内視鏡検査を施行したところ,上行結腸に径4cm大の側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor;以下LST)を指摘され,根治手術目的に当科紹介となった.3D-CT画像で脈管系に逆位以外の変異がないことを確認したうえで,腹腔鏡補助下結腸切除術を施行した.術後経過は良好であり,術後11日目に退院となった.病理組織検査で腫瘍は高分化腺癌,fTis(M),fN0,fH0,fM0,fP0,fStage 0の診断であった.3D-CTは血管奇形の有無やvariation,消化管の位置・支配血管を事前に把握でき,内臓逆位症のような患者で腹腔鏡下手術を施行する際には非常に有用であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.76.2749