C型慢性肝炎に対するダクラタスビル・アスナプレビル併用療法による横紋筋融解症の1例

症例は64歳の女性.C型慢性肝炎に対して2015年2月13日よりダクラタスビル・アスナプレビル併用療法を開始した.3月1日(治療開始後17日目)から発熱を認め,翌日には軽度のLDH上昇を呈していたが,慎重な観察のもと治療は継続された.しかしながら,3月5日(治療開始後21日目)に手足の脱力を訴え,血液検査において横紋筋融解症が疑われ精査加療目的にて入院となった.入院後,ダクラタスビル・アスナプレビル併用療法は速やかに中止され,横紋筋融解症に対する輸液による保存的治療が開始された.以後,血液検査所見および自覚症状は経時的に改善し退院となった.また,ダクラタスビル・アスナプレビル両剤中止にもかかわ...

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Published in肝臓 Vol. 57; no. 11; pp. 598 - 605
Main Authors 佐藤, 望, 伊東, 文生, 池田, 裕喜, 末谷, 敬吾, 鈴木, 通博, 石井, 俊哉, 辻, 顕介, 渡邊, 綱正, 平石, 哲也, 奥瀬, 千晃, 石郷岡, 晋也, 中津, 智子, 四柳, 宏, 高橋, 秀明, 松本, 伸行, 近江, 亮介, 松永, 光太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2016
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.57.598

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Summary:症例は64歳の女性.C型慢性肝炎に対して2015年2月13日よりダクラタスビル・アスナプレビル併用療法を開始した.3月1日(治療開始後17日目)から発熱を認め,翌日には軽度のLDH上昇を呈していたが,慎重な観察のもと治療は継続された.しかしながら,3月5日(治療開始後21日目)に手足の脱力を訴え,血液検査において横紋筋融解症が疑われ精査加療目的にて入院となった.入院後,ダクラタスビル・アスナプレビル併用療法は速やかに中止され,横紋筋融解症に対する輸液による保存的治療が開始された.以後,血液検査所見および自覚症状は経時的に改善し退院となった.また,ダクラタスビル・アスナプレビル両剤中止にもかかわらずHCV RNAは治療終了後24週間の持続陰性を呈し,最終的にはSustained Virological Response(SVR)24に至った.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.57.598