画像での経過観察ののち摘出した良性乳腺腺筋上皮腫の1例

症例は52歳,女性.右乳房腫瘤を自覚し,翌月の検診にて要精査となり当院を受診.右乳房9時方向に石灰化を含む2cm大の腫瘤を認め,DCISを疑って精査.MRIにて,右9時方向に区域性濃染がみられ,超音波でも血流と歪みの低下を伴う低エコー域であった.超音波ガイド下吸引式針生検では腺筋上皮腫(adenomyoepithelioma:以下AME)の診断であった.以後,経過観察していたところ,5年後に3.5cmまで増大したため,腫瘤切除術を施行した.術後病理は,乳頭状構築を呈し出血性嚢胞を伴うAMEで,悪性所見はなかった.AMEには,今回のように良性であっても増大するものや,悪性のものもあるため,診断後...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 11; pp. 2653 - 2659
Main Authors 北川, 瞳, 鈴木, 高祐, 吉田, 敦, 角田, 博子, 山内, 英子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.2653

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Summary:症例は52歳,女性.右乳房腫瘤を自覚し,翌月の検診にて要精査となり当院を受診.右乳房9時方向に石灰化を含む2cm大の腫瘤を認め,DCISを疑って精査.MRIにて,右9時方向に区域性濃染がみられ,超音波でも血流と歪みの低下を伴う低エコー域であった.超音波ガイド下吸引式針生検では腺筋上皮腫(adenomyoepithelioma:以下AME)の診断であった.以後,経過観察していたところ,5年後に3.5cmまで増大したため,腫瘤切除術を施行した.術後病理は,乳頭状構築を呈し出血性嚢胞を伴うAMEで,悪性所見はなかった.AMEには,今回のように良性であっても増大するものや,悪性のものもあるため,診断後も注意深く経過観察を行う必要があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.2653