食道裂創部へのimplantationと考えられた胃癌再発の1例

症例は71歳の男性で,2014年11月にM領域の2型進行胃癌に対し,胃全摘術,Roux-en Y再建を行った.病理組織学的検査所見はpor1+sig,T2(MP),INFb,ly1,v0,N0,PM0,DM0,CY0,Stage IBであり,R0切除となった.2016年2月に術後経過観察目的で行った上部消化管内視鏡検査で吻合部近傍の食道再発と診断し,同年3月に吻合部切除術を施行した.再発部位は縫合線より5mm口側に認め,病理組織学的検査所見は初回手術時の所見と類似し,T1a(MM),INFa,ly0,v0,N0,PM0,DM0,CY0であった.自験例の再発形式として,再発部位は縫合線より5mm...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 12; pp. 2941 - 2947
Main Authors 東, 敏弥, 山田, 卓也, 辻本, 浩人, 杉本, 琢哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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Summary:症例は71歳の男性で,2014年11月にM領域の2型進行胃癌に対し,胃全摘術,Roux-en Y再建を行った.病理組織学的検査所見はpor1+sig,T2(MP),INFb,ly1,v0,N0,PM0,DM0,CY0,Stage IBであり,R0切除となった.2016年2月に術後経過観察目的で行った上部消化管内視鏡検査で吻合部近傍の食道再発と診断し,同年3月に吻合部切除術を施行した.再発部位は縫合線より5mm口側に認め,病理組織学的検査所見は初回手術時の所見と類似し,T1a(MM),INFa,ly0,v0,N0,PM0,DM0,CY0であった.自験例の再発形式として,再発部位は縫合線より5mm口側にあり,深達度はT1aで脈管侵襲は認めず,初回手術では切除断端陰性であることから,初回の術中操作中に生じた食道裂創部へのimplantationによる再発と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.2941