胸腔鏡が切除範囲決定に有用であった砂時計型胸壁脂肪腫の1例

73歳,女性.2003年より検診の胸部レントゲンで胸部異常陰影を指摘され,脂肪腫の診断で経過観察されていた.2009年になり腋窩の腫瘤に気付き前医受診.精査加療目的に当科紹介となった.CTおよびMRIでは左第4肋間側方を貫通して胸腔内と胸壁外にまたがる砂時計型の腫瘍が認められた.脂肪肉腫が否定できず,切除施行となった.手術は肉腫の可能性もあるため分割切除を避けて肋骨合併切除を選択した.右側臥位で開始し,まず胸腔内を胸腔鏡で観察しながら切除範囲を決定し,体表側から約6cmの小切開を置いて,腫瘍および第4/5肋骨側方を含めて胸壁切除/再建を施行した.病理診断では成熟型の脂肪腫と診断された.先行した...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 12; pp. 3034 - 3037
Main Authors 松原, 寛知, 奥脇, 英人, 宮内, 善広, 市原, 智史, 内田, 嚴, 松本, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.3034

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Summary:73歳,女性.2003年より検診の胸部レントゲンで胸部異常陰影を指摘され,脂肪腫の診断で経過観察されていた.2009年になり腋窩の腫瘤に気付き前医受診.精査加療目的に当科紹介となった.CTおよびMRIでは左第4肋間側方を貫通して胸腔内と胸壁外にまたがる砂時計型の腫瘍が認められた.脂肪肉腫が否定できず,切除施行となった.手術は肉腫の可能性もあるため分割切除を避けて肋骨合併切除を選択した.右側臥位で開始し,まず胸腔内を胸腔鏡で観察しながら切除範囲を決定し,体表側から約6cmの小切開を置いて,腫瘍および第4/5肋骨側方を含めて胸壁切除/再建を施行した.病理診断では成熟型の脂肪腫と診断された.先行した胸腔鏡観察が胸腔内側の切除範囲決定に有用であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.3034