当院における下咽頭輪状後部癌の検討

2007年1月~2012年12月までの6年間の間に当院にて初回治療を行った下咽頭輪状後部癌25症例について検討を行った。表在癌と診断した症例は5例であり,内視鏡下粘膜切除術を行い,良好な成績であった。表在病変に対しては内視鏡を用いた経口的な切除術が妥当と考えられた。表在病変以外の症例は20例であり,手術群,非手術群の治療成績は同等であったが,非手術治療の喉頭温存率は23%と低かった。初回治療として化学放射線療法を行い,局所再発に対して救済手術を実施するといった治療選択肢も考えられるが,腫瘍の進行度や全身状態を十分考慮した上で治療法を決定する必要があると考えられた。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 25; no. 2; pp. 171 - 176
Main Authors 濱本, 隆夫, 林, 隆一, 宮崎, 眞和, 篠崎, 剛, 富岡, 利文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2015
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Summary:2007年1月~2012年12月までの6年間の間に当院にて初回治療を行った下咽頭輪状後部癌25症例について検討を行った。表在癌と診断した症例は5例であり,内視鏡下粘膜切除術を行い,良好な成績であった。表在病変に対しては内視鏡を用いた経口的な切除術が妥当と考えられた。表在病変以外の症例は20例であり,手術群,非手術群の治療成績は同等であったが,非手術治療の喉頭温存率は23%と低かった。初回治療として化学放射線療法を行い,局所再発に対して救済手術を実施するといった治療選択肢も考えられるが,腫瘍の進行度や全身状態を十分考慮した上で治療法を決定する必要があると考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.25.171