単孔式TEP法により修復した白線ヘルニアの1例
白線ヘルニアは,腹壁正中の腱膜組織の間隙から腹膜前脂肪組織や腹腔内臓器が脱出するヘルニアである.今回われわれは,腹膜前脂肪組織が脱出する白線ヘルニアに対して単孔式totally extraperitoneal approach (TEP)法に準じた腹膜外法により修復できた1症例を経験したため報告する.症例は46歳の男性で,上腹部皮下腫瘤の精査にて施行したCTにより白線ヘルニアと診断した.手術中,腹腔内からの観察ではヘルニア門を同定できなかったが,腹膜外腔の剥離にて白線から脱出するヘルニア(腹膜前脂肪組織)を認め,内容の全剥離後にメッシュによる補強を施行した.本邦では,成人白線ヘルニアに対する単...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 12; pp. 3030 - 3033 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.77.3030 |
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Summary: | 白線ヘルニアは,腹壁正中の腱膜組織の間隙から腹膜前脂肪組織や腹腔内臓器が脱出するヘルニアである.今回われわれは,腹膜前脂肪組織が脱出する白線ヘルニアに対して単孔式totally extraperitoneal approach (TEP)法に準じた腹膜外法により修復できた1症例を経験したため報告する.症例は46歳の男性で,上腹部皮下腫瘤の精査にて施行したCTにより白線ヘルニアと診断した.手術中,腹腔内からの観察ではヘルニア門を同定できなかったが,腹膜外腔の剥離にて白線から脱出するヘルニア(腹膜前脂肪組織)を認め,内容の全剥離後にメッシュによる補強を施行した.本邦では,成人白線ヘルニアに対する単孔式腹腔鏡手術例の報告は本症例が初めてであり,文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.77.3030 |