腸間膜に関連した内ヘルニアの4例

腸間膜に関連した内ヘルニアにより小腸イレウスを発症し,いずれも嵌入腸管を温存しえた4例を経験したので報告する.症例1は39歳,男性.小腸の絞扼性イレウスを疑い,審査腹腔鏡を行った.小腸間膜裂孔ヘルニアと診断し,開腹下にヘルニアを修復した.症例2・症例3は各々55歳,男性と65歳,男性.共に虫垂切除の既往があり,癒着性イレウスを疑い保存的治療を行ったが,改善がないため審査腹腔鏡を行った.S状結腸間膜内ヘルニアと診断し小開腹下に修復した.症例4は37歳,男性.絞扼性イレウスの診断のもと開腹手術を行い横行結腸間膜内ヘルニアと診断した.術前診断は得られなかったが,4例中3例に審査腹腔鏡を早期に行うこと...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 12; pp. 3369 - 3374
Main Authors 小寺澤, 康文, 京極, 高久, 安川, 大貴, 吉田, 真也, 石井, 隆道, 住井, 敦彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.3369

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Summary:腸間膜に関連した内ヘルニアにより小腸イレウスを発症し,いずれも嵌入腸管を温存しえた4例を経験したので報告する.症例1は39歳,男性.小腸の絞扼性イレウスを疑い,審査腹腔鏡を行った.小腸間膜裂孔ヘルニアと診断し,開腹下にヘルニアを修復した.症例2・症例3は各々55歳,男性と65歳,男性.共に虫垂切除の既往があり,癒着性イレウスを疑い保存的治療を行ったが,改善がないため審査腹腔鏡を行った.S状結腸間膜内ヘルニアと診断し小開腹下に修復した.症例4は37歳,男性.絞扼性イレウスの診断のもと開腹手術を行い横行結腸間膜内ヘルニアと診断した.術前診断は得られなかったが,4例中3例に審査腹腔鏡を早期に行うことで全例,腸管を温存できた.内ヘルニアを画像所見のみで診断するのは困難な場合がある.時期を逸しない手術療法が必要であり,審査腹腔鏡は内ヘルニアにも有用であることが示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.3369