自転車のハンドルによる外傷性十二指腸穿孔の1例
症例は15歳,男性.自転車走行中に転倒し,ハンドルグリップで上腹部を強打した.翌日,腹痛が増強し当院内科を受診.急性腹症の診断で当科紹介となった.腹部造影CTで十二指腸水平脚から後腹膜にかけて気腫像,周囲液体貯留を認めた.外傷性十二指腸損傷の診断で緊急手術を施行した.Treitz靱帯より3cm口側の十二指腸水平脚後壁尾側寄りに20×10mmの穿孔部位を認め,穿孔部を単純縫合閉鎖した.経過良好で術後20日目に退院した. 早期診断,手術により救命できた腹部打撲による外傷性十二指腸穿孔の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 10; pp. 2452 - 2455 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2015
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.76.2452 |
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Summary: | 症例は15歳,男性.自転車走行中に転倒し,ハンドルグリップで上腹部を強打した.翌日,腹痛が増強し当院内科を受診.急性腹症の診断で当科紹介となった.腹部造影CTで十二指腸水平脚から後腹膜にかけて気腫像,周囲液体貯留を認めた.外傷性十二指腸損傷の診断で緊急手術を施行した.Treitz靱帯より3cm口側の十二指腸水平脚後壁尾側寄りに20×10mmの穿孔部位を認め,穿孔部を単純縫合閉鎖した.経過良好で術後20日目に退院した. 早期診断,手術により救命できた腹部打撲による外傷性十二指腸穿孔の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.76.2452 |