多発リンパ節転移を伴ったI型胃neuroendocrine tumorの1例

極めてまれな多発リンパ節転移を伴ったRindi分類I型の胃neuroendocrine tumor (NET)の1例を報告する.症例は48歳,女性.心窩部痛を主訴に当院を受診.上部消化管内視鏡検査では萎縮性胃炎を背景として,胃全体に5-10mm大の隆起性病変が多発していた.血清抗胃壁細胞抗体は陽性,血清ガストリン値は高値を呈し,組織生検と併せてRindi分類I型の胃NETと診断した.造影CTでは胃周囲リンパ節が多数腫大しており,脾合併胃全摘術,D2郭清を施行した.摘出標本では最大径9mmの隆起性病変が多発し,組織学的にはNET G1で,深達度はいずれも粘膜下層までに留まっていた.しかし,静脈浸...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 11; pp. 2448 - 2453
Main Authors 三田, 孝行, 前田, 光貴, 岩田, 真, 田端, 正己, 大澤, 一郎, 加藤, 憲治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.2448

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Summary:極めてまれな多発リンパ節転移を伴ったRindi分類I型の胃neuroendocrine tumor (NET)の1例を報告する.症例は48歳,女性.心窩部痛を主訴に当院を受診.上部消化管内視鏡検査では萎縮性胃炎を背景として,胃全体に5-10mm大の隆起性病変が多発していた.血清抗胃壁細胞抗体は陽性,血清ガストリン値は高値を呈し,組織生検と併せてRindi分類I型の胃NETと診断した.造影CTでは胃周囲リンパ節が多数腫大しており,脾合併胃全摘術,D2郭清を施行した.摘出標本では最大径9mmの隆起性病変が多発し,組織学的にはNET G1で,深達度はいずれも粘膜下層までに留まっていた.しかし,静脈浸潤およびリンパ管侵襲が陽性で,5個のリンパ節転移が認められた.術後42カ月,無再発生存中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.2448