後腹膜原発Castleman病の1例

症例は35歳, 女性. 心窩部不快感を主訴に内科を受診. 腹部超音波検査で右腎・下大静脈間に動脈血流を伴うlow echoic tumorを指摘された. 腹部造影CTでは右腎内側に血管と等濃度に造影される腫瘤を認め, 右腎動脈仮性動脈瘤の可能性を指摘され入院精査となった. 腹部血管造影検査では血流豊富な腫瘤陰影と右腎動脈から分岐する栄養血管を認めた. 血液・尿検査でホルモンの異常は認めず, 131I-MIBG (metaiodobenzylguanidine) シンチでも集積は認められなかったが, 異所性非機能性副腎腫瘍等の可能性を否定できず手術を施行した. 手術所見では右腎下極に6×4×3c...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 3; pp. 720 - 724
Main Authors 勅使河原, 修, 小松, 義直, 村岡, 暁憲, 鈴木, 夏生, 田上, 鑛一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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Summary:症例は35歳, 女性. 心窩部不快感を主訴に内科を受診. 腹部超音波検査で右腎・下大静脈間に動脈血流を伴うlow echoic tumorを指摘された. 腹部造影CTでは右腎内側に血管と等濃度に造影される腫瘤を認め, 右腎動脈仮性動脈瘤の可能性を指摘され入院精査となった. 腹部血管造影検査では血流豊富な腫瘤陰影と右腎動脈から分岐する栄養血管を認めた. 血液・尿検査でホルモンの異常は認めず, 131I-MIBG (metaiodobenzylguanidine) シンチでも集積は認められなかったが, 異所性非機能性副腎腫瘍等の可能性を否定できず手術を施行した. 手術所見では右腎下極に6×4×3cmの被膜を伴う弾性軟な腫瘍と血管造影検査の所見通り右腎動脈からの栄養血管を認めた. 被膜を貫き直接下大静脈に流入している4本のdrainage veinの周囲のみ線維性の癒着があったが, その他の部位に癒着はなく可動性良好であった. 病理組織学的検査でhyaline vascular typeのCastleman病と診断された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.720