術前診断し腹腔鏡下に摘出した副脾梗塞の1例
症例は44歳,女性.突然の左側腹部痛と,3日後の発熱・嘔気を主訴に近医を受診し,腸炎の疑いで当院へ紹介された.腹部造影CTにて左側腹部に5cm大の低吸収腫瘤と,その頭側に脾動脈から連続する索状構造物を認めた.4年前の虫垂炎手術時のCTでは,腫瘤・索状構造物ともに造影効果を有しており,栄養血管が捻転し腫瘤が虚血に陥っているものと考えられた.副脾梗塞と診断し,腹腔鏡下に緊急手術を施行した.左中腹部に大網に包まれた暗赤色の副脾が認められた.周囲を剥離して捻転した栄養血管を切離し摘出した.術後経過は良好で 4日目に退院した. 大網原発の副脾は固定されていないため,4cm以上になると栄養血管が捻転し梗塞...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 76; no. 12; pp. 3059 - 3063 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2015
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Summary: | 症例は44歳,女性.突然の左側腹部痛と,3日後の発熱・嘔気を主訴に近医を受診し,腸炎の疑いで当院へ紹介された.腹部造影CTにて左側腹部に5cm大の低吸収腫瘤と,その頭側に脾動脈から連続する索状構造物を認めた.4年前の虫垂炎手術時のCTでは,腫瘤・索状構造物ともに造影効果を有しており,栄養血管が捻転し腫瘤が虚血に陥っているものと考えられた.副脾梗塞と診断し,腹腔鏡下に緊急手術を施行した.左中腹部に大網に包まれた暗赤色の副脾が認められた.周囲を剥離して捻転した栄養血管を切離し摘出した.術後経過は良好で 4日目に退院した. 大網原発の副脾は固定されていないため,4cm以上になると栄養血管が捻転し梗塞に至ることがある.今回われわれは,術前に副脾梗塞と診断し,腹腔鏡下摘出術を施行した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.76.3059 |