先天性結腸閉鎖症の1例
症例は日齢3の男児で,出生体重3,440g,在胎41週0日で出生した.日齢1より胆汁性嘔吐を認めたため当院へ搬送となり,画像所見から結腸閉鎖症を疑い開腹術となった.回盲部より7cm肛門側に離断型の結腸閉鎖を認め,腸管の口径差は11:1であった.口側盲端に結腸瘻,肛門側盲端にチューブ腸瘻を造設し,持続減圧および肛門側注入を行った後に二期的腸吻合術を行った.腸管の口径差は2:1に縮小していた.術後経過は良好で,術後17日目に退院となった.先天性結腸閉鎖症(以下,本症)の治療法は,病型や初回手術時の腸管の状態によって種々の選択肢がある.初回手術時に口径差が大きい場合,虫垂瘻やカテーテル瘻を併用した一...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 79; no. 10; pp. 2091 - 2095 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2018
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.79.2091 |
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Summary: | 症例は日齢3の男児で,出生体重3,440g,在胎41週0日で出生した.日齢1より胆汁性嘔吐を認めたため当院へ搬送となり,画像所見から結腸閉鎖症を疑い開腹術となった.回盲部より7cm肛門側に離断型の結腸閉鎖を認め,腸管の口径差は11:1であった.口側盲端に結腸瘻,肛門側盲端にチューブ腸瘻を造設し,持続減圧および肛門側注入を行った後に二期的腸吻合術を行った.腸管の口径差は2:1に縮小していた.術後経過は良好で,術後17日目に退院となった.先天性結腸閉鎖症(以下,本症)の治療法は,病型や初回手術時の腸管の状態によって種々の選択肢がある.初回手術時に口径差が大きい場合,虫垂瘻やカテーテル瘻を併用した一期的腸吻合を行うか,もしくは一期的吻合が困難な場合は,一時的に人工肛門を造設して口径差の縮小後に二期的吻合を行う.今回,自験例を含めた本邦報告例を検討し,本症について治療法を中心に報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.79.2091 |