IgG4関連疾患に合併した顎下腺唾液腺導管癌の1例
IgG4関連疾患は,唾液腺に病変がみられることが多く,耳鼻咽喉科医が診断することも多い。最近は,悪性腫瘍を合併しやすいことが報告されている。今回,IgG4関連疾患に顎下腺唾液腺導管癌を合併した1例を経験したので報告する。症例は67歳女性。検診で受けたPET-CTで,全身のリンパ節腫脹を指摘された。顎下部のリンパ節と考えていた腫瘤は顎下腺腫瘍であり,IgG4陽性形質細胞の浸潤を背景とした唾液腺導管癌がみられた。血清IgG4が高値であり,IgG4関連疾患に合併した顎下腺唾液腺導管癌と診断した。今のところ,頭頸部において悪性腫瘍の合併に関する報告は少ないが,念頭に置いておくべきと考える。...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 25; no. 3; pp. 475 - 479 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.25.475 |
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Summary: | IgG4関連疾患は,唾液腺に病変がみられることが多く,耳鼻咽喉科医が診断することも多い。最近は,悪性腫瘍を合併しやすいことが報告されている。今回,IgG4関連疾患に顎下腺唾液腺導管癌を合併した1例を経験したので報告する。症例は67歳女性。検診で受けたPET-CTで,全身のリンパ節腫脹を指摘された。顎下部のリンパ節と考えていた腫瘤は顎下腺腫瘍であり,IgG4陽性形質細胞の浸潤を背景とした唾液腺導管癌がみられた。血清IgG4が高値であり,IgG4関連疾患に合併した顎下腺唾液腺導管癌と診断した。今のところ,頭頸部において悪性腫瘍の合併に関する報告は少ないが,念頭に置いておくべきと考える。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.25.475 |