口腔外科領域感染症からの分離菌とその薬剤感受性
全国の11施設を受診した歯性感染症患者156症例の閉塞膿より得られた検体から, 合計326株の菌を検出し, 次の結果を得た. 1) 歯周組織炎, 智歯周囲炎, 顎骨炎および小数例のその他の疾患群からの検出菌は複数菌の検出例が多く, また嫌気性菌の検出率が高かったが, 疾患群による差は認められなかった. 2) 菌種別では, 好気性菌ではα-Streptococcusが高頻度に検出され, 他にはβ-Streptococcus, B.catarrhalisなどが, また嫌気性菌ではBacteroides属, Peptococcus属, 嫌気性Streptococcus属などの, 検出頻度が高かった....
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 59; no. 3; pp. 289 - 302 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.03.1985
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.289 |
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Summary: | 全国の11施設を受診した歯性感染症患者156症例の閉塞膿より得られた検体から, 合計326株の菌を検出し, 次の結果を得た. 1) 歯周組織炎, 智歯周囲炎, 顎骨炎および小数例のその他の疾患群からの検出菌は複数菌の検出例が多く, また嫌気性菌の検出率が高かったが, 疾患群による差は認められなかった. 2) 菌種別では, 好気性菌ではα-Streptococcusが高頻度に検出され, 他にはβ-Streptococcus, B.catarrhalisなどが, また嫌気性菌ではBacteroides属, Peptococcus属, 嫌気性Streptococcus属などの, 検出頻度が高かった. 3) MICの測定はマクロライド系の4剤すなわち, Josamycin (JM), Midecamycin (MDM), Erythromycin (EM) およびTMS-19-Q (TMS) ならびにAmpicillin (ABPC), およびCephalexin (CEX) についてなされた. CEXはMICが高かったが, その他の5薬剤はいずれも良好な抗菌力を示し, 耐性菌も少なかった.特にTMS, EM, ABPCの抗菌力は強かったが, ABPCではBacteroides属に中等度の耐性菌がみられた. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.289 |