ESWL単独療法の適応と治療回数の検討

【目的】ESWL単独療法の適応と治療回数を検討した.【方法】ESWLを施行した1,739例を対象に完全排石の効果不良予測因子を同定した. また, ESWLが尿管に与える影響をTULの術中所見で検討した.【結果】ESWL単独療法の完全排石率は単回で44.4%, 2回で62.9%, 3回で75.0%, 4回目以降で78.9%であった.完全排石の予測因子について多変量解析を行うと結石長径1 cm以上 (p<0.0001), 下腎杯結石 (p<0.0001), 70歳以上 (p=0.0008) が有意であった. 予測因子を含まない症例では, 単回の完全排石率は58.4%, 最終的な完全排石率は90.1...

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Published inJapanese Journal of Endourology and Robotics Vol. 36; no. 1; pp. 107 - 112
Main Authors 江口, 賢, 白瀧, 敬, 池田, 英夫, 清水, 宏輔, 高井, 公雄, 松田, 健二, 栗栖, 弘明, 山口, 優香子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 2023
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ISSN2436-875X
DOI10.11302/jserjje.36.1_107

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Summary:【目的】ESWL単独療法の適応と治療回数を検討した.【方法】ESWLを施行した1,739例を対象に完全排石の効果不良予測因子を同定した. また, ESWLが尿管に与える影響をTULの術中所見で検討した.【結果】ESWL単独療法の完全排石率は単回で44.4%, 2回で62.9%, 3回で75.0%, 4回目以降で78.9%であった.完全排石の予測因子について多変量解析を行うと結石長径1 cm以上 (p<0.0001), 下腎杯結石 (p<0.0001), 70歳以上 (p=0.0008) が有意であった. 予測因子を含まない症例では, 単回の完全排石率は58.4%, 最終的な完全排石率は90.1%であった. ESWLを4回以上施行後にTULへ変更した症例では嵌頓結石が36.0%と多かった.【結論】ESWL単独療法は結石長径1 cm未満, 下腎杯結石以外, 70歳未満が良い適応であり, 治療回数は3回までが妥当と思われた.
ISSN:2436-875X
DOI:10.11302/jserjje.36.1_107