埋設処分対象の低レベル放射性廃棄物に由来する放射性炭素の水稲による経根吸収 (2) 酢酸を放射性炭素の起源とした場合の植物体中分布

「I 緒言」埋設処分対象の放射性廃棄物に含まれる14Cの大部分は有機態の低分子化合物として存在することが報告されている. このため, 14Cの作物への移行性を評価するためには無機態だけでなく有機態14Cの経根吸収についても知見を収集する必要がある. 著者らは主要な有機態14Cの一つである酢酸を使用した場合の経根吸収による根菜への14C移行性や14Cが水稲根に取込まれた生育時期と玄米への14C移行性との関係について報告した. 水稲根から玄米への14C移行に関する前報では玄米以外の植物体部位の14C分布については未発表であったが, 収穫後の稲わらは家畜飼料に, そして残存する切株や残根は鋤き込んで...

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Published in保健物理 Vol. 47; no. 4; pp. 266 - 269
Main Authors 田上, 恵子, 鈴木, 弘行, 内田, 滋夫, 石井, 伸昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健物理学会 2012
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ISSN0367-6110
1884-7560
DOI10.5453/jhps.47.266

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Summary:「I 緒言」埋設処分対象の放射性廃棄物に含まれる14Cの大部分は有機態の低分子化合物として存在することが報告されている. このため, 14Cの作物への移行性を評価するためには無機態だけでなく有機態14Cの経根吸収についても知見を収集する必要がある. 著者らは主要な有機態14Cの一つである酢酸を使用した場合の経根吸収による根菜への14C移行性や14Cが水稲根に取込まれた生育時期と玄米への14C移行性との関係について報告した. 水稲根から玄米への14C移行に関する前報では玄米以外の植物体部位の14C分布については未発表であったが, 収穫後の稲わらは家畜飼料に, そして残存する切株や残根は鋤き込んで次作が行われる. したがって, 14Cの土壌残留性と次作での作物移行を考える上で玄米以外の植物体部位の14C分布を把握することもまた重要であると思われる.
ISSN:0367-6110
1884-7560
DOI:10.5453/jhps.47.266