肺炎球菌尿中抗原迅速検出キットの乳幼児における有用性の検討

3歳以下健常乳幼児23名 (平均1.9歳) に, 経鼻腔上咽頭培養と肺炎球菌尿中抗原迅速検出キットBinax NOW Streptococccus pneumoniae (以下NOW, Binax Inc., アスカ純薬取扱い) を用いた肺炎球菌尿中抗原の検出を行い, 乳幼児におけるNOWの有用性について検討した. 18名 (78.3%) の上咽頭からS. pneumoniae, Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhalisいずれかが分離され, S.pneumoniaeは12名 (52.2%) で陽性, うち7名でNOWは陽性であった.また, 分離...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 78; no. 1; pp. 18 - 21
Main Authors 成相, 昭吉, 横田, 俊平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.01.2004
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.78.18

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Summary:3歳以下健常乳幼児23名 (平均1.9歳) に, 経鼻腔上咽頭培養と肺炎球菌尿中抗原迅速検出キットBinax NOW Streptococccus pneumoniae (以下NOW, Binax Inc., アスカ純薬取扱い) を用いた肺炎球菌尿中抗原の検出を行い, 乳幼児におけるNOWの有用性について検討した. 18名 (78.3%) の上咽頭からS. pneumoniae, Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhalisいずれかが分離され, S.pneumoniaeは12名 (52.2%) で陽性, うち7名でNOWは陽性であった.また, 分離陰性11名のうち3名もNOWは陽性で, いずれも2週間以内に急性肺炎の既往があり, 2名では診断時, 上咽頭からS.pneumoniaeが分離されていた.NOWは, S.pneumoniaeによる肺炎治癒後も陽性が持続し既往を示唆する場合があり, また上咽頭にS.pneumoniaeが定着した状態だけでも陽性になる場合があると考えられた.上咽頭に高率にS.pneumoniaeが定着している乳幼児では, NOWを起炎菌想定と抗菌薬選択に利用する際, その評価は既往を確認した上で臨床症状や他の検査所見と併せて行う必要があると考えられた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.78.18