小児遺伝性網膜疾患が疑われ静脈麻酔下でコンタクトレンズ型電極を用いて網膜電図記録を試みた1例

【目的】遺伝性網膜疾患が疑われ、静脈麻酔下でコンタクトレンズ型(CL)電極を用いて網膜電図(ERG)記録を試みた小児例を報告する。 【症例】5歳の女児。間欠性外斜視で前医を受診した。その際に両眼黄斑部に漿液性網膜剥離を認め、常染色体潜性ベストロフィノパチーが疑われた。小児科医管理のもと静脈麻酔下でCL電極を用いたERGは、ノイズの少ない波形が記録された。杆体系ならびに錐体系応答は、正常振幅を示した。全エクソーム解析による遺伝学的検査では、既知の遺伝子変異は検出されなかった。 【考按】小児科医管理のもと静脈麻酔下でCL電極を用いて信頼性の高いERGを記録することができ、患児の病態評価に有用であっ...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 54; pp. 23 - 28
Main Authors 溝渕, 圭, 林, 孝彰, 森, 愛夢, 日暮, 憲道, 中野, 匡, 奥出, 祥代, 髙見, 遥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2024
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.54F111

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Summary:【目的】遺伝性網膜疾患が疑われ、静脈麻酔下でコンタクトレンズ型(CL)電極を用いて網膜電図(ERG)記録を試みた小児例を報告する。 【症例】5歳の女児。間欠性外斜視で前医を受診した。その際に両眼黄斑部に漿液性網膜剥離を認め、常染色体潜性ベストロフィノパチーが疑われた。小児科医管理のもと静脈麻酔下でCL電極を用いたERGは、ノイズの少ない波形が記録された。杆体系ならびに錐体系応答は、正常振幅を示した。全エクソーム解析による遺伝学的検査では、既知の遺伝子変異は検出されなかった。 【考按】小児科医管理のもと静脈麻酔下でCL電極を用いて信頼性の高いERGを記録することができ、患児の病態評価に有用であった。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.54F111