世界トップレベル選手の後方車輪に関する発生運動学的一考察
「I 序論」スポーツ科学の世界では現在に至るまで様々な技術分析が行われてきた. スポーツの技術とは「特定の課題を解決するために実践の場で発生し(開発・発見され), かつ検証された合理的で効率的な身体操作の方法」(日本体育学会, 2006)のことを言う. 運動の「やり方」は運動者に内在する意識や感覚を起点にするため極めて主観的なものであり, 一般にコツと呼ばれる. 個人的なコツは, 次第に「われわれのコツ」として共有されてゆき, さらに「公認されたわれわれのコツ」へと昇華されて社会的承認を得るようになり, 公共的な技術となる(金子, 2002). すなわち, 各個人の中に発生する個人的なやり方と...
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Published in | 体育学研究 Vol. 69; pp. 17 - 32 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
2024
日本体育・スポーツ・健康学会 |
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Summary: | 「I 序論」スポーツ科学の世界では現在に至るまで様々な技術分析が行われてきた. スポーツの技術とは「特定の課題を解決するために実践の場で発生し(開発・発見され), かつ検証された合理的で効率的な身体操作の方法」(日本体育学会, 2006)のことを言う. 運動の「やり方」は運動者に内在する意識や感覚を起点にするため極めて主観的なものであり, 一般にコツと呼ばれる. 個人的なコツは, 次第に「われわれのコツ」として共有されてゆき, さらに「公認されたわれわれのコツ」へと昇華されて社会的承認を得るようになり, 公共的な技術となる(金子, 2002). すなわち, 各個人の中に発生する個人的なやり方としてのコツを基点にして技術が発生すると言える. コツとは一般的に広義な意味で動きのポイントと解されるが, 発生運動学の研究領域では自らの身体を動かす能力としてのコツと, 刻々と変化する情況を的確に捉える能力としてのカンとに区別される. |
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ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.23033 |