囊胞性腫瘤像を呈した限局性悪性胸膜中皮腫の1手術例

今回我々は囊胞性腫瘤像を呈した限局性悪性胸膜中皮腫の1手術例を経験したので報告する.症例は78歳男性.胸部異常陰影を指摘されたため,当院紹介となった.胸部CT検査では,左胸壁に接する12 cm大の囊胞性腫瘤影と,左胸水貯留を認めた.胸水検査では悪性所見は認めなかった.診断および治療目的で手術を施行した.手術は第6肋間中腋窩線上の開胸で行った.腫瘍と胸壁・肺との癒着は鈍的剥離可能であったが,心膜とは強固に癒着して剥離不能であったため,腫瘍に固着していた心膜も含めて腫瘍を摘出した.病理診断は肉腫型の悪性胸膜中皮腫であった....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 4; pp. 349 - 353
Main Authors 鈴木, 仁之, 伊藤, 大介, 庄村, 心, 島本, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2024
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.38.349

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Summary:今回我々は囊胞性腫瘤像を呈した限局性悪性胸膜中皮腫の1手術例を経験したので報告する.症例は78歳男性.胸部異常陰影を指摘されたため,当院紹介となった.胸部CT検査では,左胸壁に接する12 cm大の囊胞性腫瘤影と,左胸水貯留を認めた.胸水検査では悪性所見は認めなかった.診断および治療目的で手術を施行した.手術は第6肋間中腋窩線上の開胸で行った.腫瘍と胸壁・肺との癒着は鈍的剥離可能であったが,心膜とは強固に癒着して剥離不能であったため,腫瘍に固着していた心膜も含めて腫瘍を摘出した.病理診断は肉腫型の悪性胸膜中皮腫であった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.38.349