中縦隔発生囊胞切除時の不完全切除病変に対し焼灼を行った3例の報告

中縦隔発生囊胞の摘出術では,周囲組織との強固な癒着により完全切除が困難で,再発が危惧される場合がある.2008年9月から2020年10月までに当院で外科的治療を施行した中縦隔発生囊胞7例のうち,残存囊胞壁に対して焼灼を行った3例を提示する.不完全切除症例は男性1例,女性2例,平均年齢は57歳であった.病理診断では気管支原性囊胞2例,起源不明囊胞1例.全例胸腔鏡下縦隔囊胞切除術が行われ,残存囊胞壁に対しエネルギーデバイスによる焼灼を施行した.3例では観察期間内に再発は認めなかった.術後長期的な経過を観察出来ていないが,中縦隔発生囊胞の残存病変に対する処置の1つとして囊胞壁へのエネルギーデバイスに...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 37; no. 2; pp. 142 - 145
Main Authors 清水, 俊榮, 笹本, 晶子, 高圓, 瑛博, 松本, 卓子, 前, 昌宏, 片桐, さやか
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.03.2023
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.37.142

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Summary:中縦隔発生囊胞の摘出術では,周囲組織との強固な癒着により完全切除が困難で,再発が危惧される場合がある.2008年9月から2020年10月までに当院で外科的治療を施行した中縦隔発生囊胞7例のうち,残存囊胞壁に対して焼灼を行った3例を提示する.不完全切除症例は男性1例,女性2例,平均年齢は57歳であった.病理診断では気管支原性囊胞2例,起源不明囊胞1例.全例胸腔鏡下縦隔囊胞切除術が行われ,残存囊胞壁に対しエネルギーデバイスによる焼灼を施行した.3例では観察期間内に再発は認めなかった.術後長期的な経過を観察出来ていないが,中縦隔発生囊胞の残存病変に対する処置の1つとして囊胞壁へのエネルギーデバイスによる焼灼は再発を予防できる可能性があると考えたため報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.37.142