生活習慣変容ステージは健康行動の実施と一致しているか 特定健康診査における標準的な質問票を用いた検討

【目的】生活習慣全般をたずねる変容ステージの項目の回答が,各健康行動の実施と一致しているか,成人の男女を対象に検討することを目的とした。 【方法】A健康保険組合で実施された標準的な質問票の回答を用いた(3,364名)。調査項目は,性別,年齢,BMI,生活習慣変容ステージ,健康行動(11項目:運動行動,食行動,喫煙行動,休養)であった。変容ステージごとの検討にはKruskal-Wallis検定とχ2 検定を用い,変容ステージの実行/維持期に関連する健康行動の検討には多変量ロジスティック回帰分析を用いた。 【結果】変容ステージの分布は,前熟考期610人(18.1%),熟考期1,562人(46.4%...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 69; no. 6; pp. 318 - 325
Main Authors 溝下, 万里恵, 赤松, 利恵, 武見, ゆかり, 山本, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 2011
日本栄養改善学会
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.69.318

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Summary:【目的】生活習慣全般をたずねる変容ステージの項目の回答が,各健康行動の実施と一致しているか,成人の男女を対象に検討することを目的とした。 【方法】A健康保険組合で実施された標準的な質問票の回答を用いた(3,364名)。調査項目は,性別,年齢,BMI,生活習慣変容ステージ,健康行動(11項目:運動行動,食行動,喫煙行動,休養)であった。変容ステージごとの検討にはKruskal-Wallis検定とχ2 検定を用い,変容ステージの実行/維持期に関連する健康行動の検討には多変量ロジスティック回帰分析を用いた。 【結果】変容ステージの分布は,前熟考期610人(18.1%),熟考期1,562人(46.4%),準備期521人(15.5%),実行期313人(9.3%),維持期358人(10.7%)であった。変容ステージの実行/維持期に関連する健康行動は,男性では定期的な運動(オッズ比〔OR〕=4.41,95%信頼区間〔95%CI〕=3.30-5.90),身体活動(OR=1.67,95%CI=1.26-2.23),歩行速度(OR=1.46,95%CI=1.11-1.91)であった。女性ではそれらに加えて朝食欠食(OR=1.62,95%CI=1.03-2.53),飲酒頻度(OR=1.70,95%CI=1.07-2.66),休養(OR=1.46,95%CI=1.04-2.03)も関連していた。 【結論】生活習慣変容ステージの回答は,主に運動行動の実施と一致していることが示され,複数の健康行動の準備性をとらえるには複数の質問項目を用いる必要性が示唆された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.69.318