地域における高齢者呼吸器疾患への取り組み

「I. はじめに」厚生労働省が発表した令和5年の人口動態統計では, 我が国における死因の第一位は肺癌を含めた悪性新生物であり, 第5位に肺炎, 第6位に誤嚥性肺炎, 第8位に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)である. 男性のみに焦点をあてると間質性肺疾患が第10位で, 慢性閉塞性肺疾患(COPD)も死因の上位に位置しており, 呼吸器疾患は生命を脅かす疾患が多い. 一方で日本は1970年に高齢化社会, 1995年には高齢社会, 2010年には超高齢社会に突入している. 高齢者診療においては, 認知機能や嚥下機能の低下といった患者本人の問題だけではなく, 家族や看護師・介護士・ソーシャル...

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Published in杏林医学会雑誌 Vol. 56; no. 2; pp. 101 - 104
Main Author 中本, 啓太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 30.06.2025
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ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.56.101

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Summary:「I. はじめに」厚生労働省が発表した令和5年の人口動態統計では, 我が国における死因の第一位は肺癌を含めた悪性新生物であり, 第5位に肺炎, 第6位に誤嚥性肺炎, 第8位に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)である. 男性のみに焦点をあてると間質性肺疾患が第10位で, 慢性閉塞性肺疾患(COPD)も死因の上位に位置しており, 呼吸器疾患は生命を脅かす疾患が多い. 一方で日本は1970年に高齢化社会, 1995年には高齢社会, 2010年には超高齢社会に突入している. 高齢者診療においては, 認知機能や嚥下機能の低下といった患者本人の問題だけではなく, 家族や看護師・介護士・ソーシャルワーカーとのサポート体制の確立などといった多面的・多角的なアプローチが求められている. 本稿では, 杏林大学医学部付属杉並病院 呼吸器内科における高齢者呼吸器診療の現状と取り組みについて, 代表的な疾患である呼吸器感染症と気管支喘息・COPDに焦点を絞り述べる.
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.56.101