丸太と製材のライフサイクルアセスメント

近年、我が国では国産木材の需要拡大に向けた取り組みが活発化している。SDGs 等の環境意識が高まる今日においては、製品の持つ優れた環境優位性をアピールすることによる普及方策もありうる。木材・木質製品および木質燃料は、一般に環境に優しいものと認識されているが、真に環境に優しいか否かは、その環境負荷を全プロセスにおいて定量的に評価し、他製品と比較することで明らかとなる。それゆえに、木質製品や木質燃料についての精度の高い LCA を実施するために、原料である丸太や製材のインベントリデータが欠かせない。本稿では、我が国において丸太および製材の LCA を実施する際に有用となる情報を提供することを目的と...

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Published in日本LCA学会誌 Vol. 16; no. 2; pp. 66 - 71
Main Author 古俣, 寛隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本LCA学会 2020
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ISSN1880-2761
1881-0519
DOI10.3370/lca.16.66

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Summary:近年、我が国では国産木材の需要拡大に向けた取り組みが活発化している。SDGs 等の環境意識が高まる今日においては、製品の持つ優れた環境優位性をアピールすることによる普及方策もありうる。木材・木質製品および木質燃料は、一般に環境に優しいものと認識されているが、真に環境に優しいか否かは、その環境負荷を全プロセスにおいて定量的に評価し、他製品と比較することで明らかとなる。それゆえに、木質製品や木質燃料についての精度の高い LCA を実施するために、原料である丸太や製材のインベントリデータが欠かせない。本稿では、我が国において丸太および製材の LCA を実施する際に有用となる情報を提供することを目的とし、なるべく分かりやすくそれらの製造プロセスの概要を述べる。また、フォアグラウンドデータの収集および加工方法、バックグラウンドデータの利用上の注意点ならびに課題について、参考となる文献の紹介を通じて具体的に解説する。
ISSN:1880-2761
1881-0519
DOI:10.3370/lca.16.66