多発すりガラス結節影を呈し肺生検および乳癌治療後に消退傾向を認めた肺nodular lymphoid hyperplasiaの1例
症例は50代女性.前医で右乳房に12 mm大の腫瘍を指摘され,生検で浸潤性乳管癌と診断された.胸部CTで両肺に多発するすりガラス結節影を認め,多発肺転移の疑いで生検目的に当院紹介となった.肺結節に対して気管支鏡検査を行うも診断を得られず,切除生検目的に左S3区域切除術を施行した.病理診断はnodular lymphoid hyperplasia(NLH)で,悪性所見は認めなかった.その後乳癌に対して右乳房全摘出術および術後補助化学療法が施行された.乳癌加療開始から半年後の胸部CTで,すりガラス結節影は全て消退傾向を示した.NLHは稀な病態であり,本症例は肺生検および乳癌治療後に消退傾向を示すと...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 4; pp. 343 - 348 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
15.05.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.38.343 |
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Summary: | 症例は50代女性.前医で右乳房に12 mm大の腫瘍を指摘され,生検で浸潤性乳管癌と診断された.胸部CTで両肺に多発するすりガラス結節影を認め,多発肺転移の疑いで生検目的に当院紹介となった.肺結節に対して気管支鏡検査を行うも診断を得られず,切除生検目的に左S3区域切除術を施行した.病理診断はnodular lymphoid hyperplasia(NLH)で,悪性所見は認めなかった.その後乳癌に対して右乳房全摘出術および術後補助化学療法が施行された.乳癌加療開始から半年後の胸部CTで,すりガラス結節影は全て消退傾向を示した.NLHは稀な病態であり,本症例は肺生検および乳癌治療後に消退傾向を示すという特異的な経過を示したため,文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.38.343 |