Listening difficulties (LiD) 例における音像空間を用いた複数音声下聴取の検討

要旨: Listening Difficulties (LiD) を示す成人例の症状は, 従来の検査法では症状の検出が困難な場合もあり, 新たな評価方法の確立が必要である。本研究では, 非 LiD 例26名と LiD 例8名を対象に音像空間を利用した複数音声下での文聴取検査の有用性と LiD 例への適用について検討した。ヘッドホンを使用した複数音声下文聴取検査において, 音源及び話者手がかりの有無により条件間の結果および4条件下での各群間の聴取能を比較した。その結果, 非 LiD 群の結果では手がかりの有無により条件間の有意差が見られた。非 LiD 群と LiD 群の結果の比較では, 音源と話...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 68; no. 2; pp. 189 - 195
Main Authors 佐藤, 綾華, 小渕, 千絵, 城間, 将江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.04.2025
日本聴覚医学会
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Summary:要旨: Listening Difficulties (LiD) を示す成人例の症状は, 従来の検査法では症状の検出が困難な場合もあり, 新たな評価方法の確立が必要である。本研究では, 非 LiD 例26名と LiD 例8名を対象に音像空間を利用した複数音声下での文聴取検査の有用性と LiD 例への適用について検討した。ヘッドホンを使用した複数音声下文聴取検査において, 音源及び話者手がかりの有無により条件間の結果および4条件下での各群間の聴取能を比較した。その結果, 非 LiD 群の結果では手がかりの有無により条件間の有意差が見られた。非 LiD 群と LiD 群の結果の比較では, 音源と話者手がかりのある条件と音源手がかりのある条件, 手がかりの条件で対象群間に有意差がみられ, 本検査により両群の鑑別の可能性が考えられた。聴覚検査の特徴を考慮した課題条件の調整など今後の更なる検討が必要と考えられる。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.68.189