胸腔鏡下膿胸腔掻爬術にEWSによる気管支充填術を同時併用した有瘻性膿胸の3例

有瘻性膿胸に対して胸腔鏡下膿胸腔掻爬術および瘻孔閉鎖は低侵襲性で有用である.しかし,術後に瘻孔がコントロールできなければ開窓術を要することが少なくない.有瘻性膿胸3例に対して胸腔鏡下膿胸腔掻爬術の術中にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)による気管支鏡下気管支充填術を併用し,瘻孔コントロールを試みた.2例では術後瘻孔がコントロールされ,術後第17,28日目に退院した.1例は術後膿胸が再燃し開窓術を行ったが,瘻孔は認めず1ヵ月後に閉窓した.胸腔鏡下膿胸腔掻爬術にEWSを併用することで術後開窓術への移行を防止し,また開窓術に移行したとしても瘻孔が閉鎖されているため早...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 7; pp. 830 - 836
Main Authors 木村, 厚雄, 奥道, 恒夫, 上田, 大介, 宮原, 栄治, 川﨑, 由香里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.11.2018
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.32.830

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Summary:有瘻性膿胸に対して胸腔鏡下膿胸腔掻爬術および瘻孔閉鎖は低侵襲性で有用である.しかし,術後に瘻孔がコントロールできなければ開窓術を要することが少なくない.有瘻性膿胸3例に対して胸腔鏡下膿胸腔掻爬術の術中にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)による気管支鏡下気管支充填術を併用し,瘻孔コントロールを試みた.2例では術後瘻孔がコントロールされ,術後第17,28日目に退院した.1例は術後膿胸が再燃し開窓術を行ったが,瘻孔は認めず1ヵ月後に閉窓した.胸腔鏡下膿胸腔掻爬術にEWSを併用することで術後開窓術への移行を防止し,また開窓術に移行したとしても瘻孔が閉鎖されているため早期に閉窓可能であった.EWSによる気管支鏡下気管支充填術を併用した胸腔鏡下膿胸腔掻爬術は有瘻性膿胸に対して一期的な治癒が期待でき有効な治療法と考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.32.830