特発性肺線維症に併発した高悪性度胎児型腺癌の一例

症例は72歳女性.特発性肺線維症の治療中に右下葉結節を認め,CTガイド下生検により小細胞肺癌と診断された.特発性肺線維症の影響で,高度低肺機能であったが,右下葉切除を想定した場合の予測術後肺機能が許容範囲内であることと,IA期小細胞肺癌である点を考慮し,右下葉切除+ND2a-2を施行した.術後病理診断は,pT1cN0M0の高悪性度胎児型腺癌であった.術後補助療法は行わず,術後2年現在無再発生存中である.高悪性度胎児型腺癌は非常に稀な疾患でありこれまで特発性肺線維症を併発した報告はない.今回文献的考察を加えて報告する....

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Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 6; pp. 660 - 665
Main Authors 坂巻, 靖, 石田, 大輔, 田中, 諒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2022
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.36.660

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Summary:症例は72歳女性.特発性肺線維症の治療中に右下葉結節を認め,CTガイド下生検により小細胞肺癌と診断された.特発性肺線維症の影響で,高度低肺機能であったが,右下葉切除を想定した場合の予測術後肺機能が許容範囲内であることと,IA期小細胞肺癌である点を考慮し,右下葉切除+ND2a-2を施行した.術後病理診断は,pT1cN0M0の高悪性度胎児型腺癌であった.術後補助療法は行わず,術後2年現在無再発生存中である.高悪性度胎児型腺癌は非常に稀な疾患でありこれまで特発性肺線維症を併発した報告はない.今回文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.36.660