ガソリンエンジン内の予混合気形成に対する燃料組成の影響—高速ガスサンプリング装置を用いた気筒内混合気の分析

エンジン内の予混合気形成における燃料中の燃料組成の影響を調べるために,13種類の炭化水素化合物を混合して作った10種類のモデルガソリンを用い,高速ガスサンプリング装置による気筒内混合気のサンプリングおよびガスクロマトグラムによる分析を行い,燃料中の炭化水素化合物の点火前の蒸発した割合を定量的に調べた。その結果,いずれの試験条件においても炭化水素化合物の蒸発した割合はほぼ沸点が高いものほど順に低くなる傾向があった。また,冷機時を想定した条件で気筒内の蒸発量に影響し始める成分はm-xylene(沸点:139 ℃)以上の沸点成分の炭化水素化合物と考えられた。さらに,飽和蒸気圧から導いた蒸発速度の式を...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 56; no. 1; pp. 32 - 43
Main Authors 尾山, 宏次, 柴田, 元, 仲野, 誠一, 礒田, 透
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 2013
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Summary:エンジン内の予混合気形成における燃料中の燃料組成の影響を調べるために,13種類の炭化水素化合物を混合して作った10種類のモデルガソリンを用い,高速ガスサンプリング装置による気筒内混合気のサンプリングおよびガスクロマトグラムによる分析を行い,燃料中の炭化水素化合物の点火前の蒸発した割合を定量的に調べた。その結果,いずれの試験条件においても炭化水素化合物の蒸発した割合はほぼ沸点が高いものほど順に低くなる傾向があった。また,冷機時を想定した条件で気筒内の蒸発量に影響し始める成分はm-xylene(沸点:139 ℃)以上の沸点成分の炭化水素化合物と考えられた。さらに,飽和蒸気圧から導いた蒸発速度の式を用いて求めた蒸発量の計算結果と実験値を比較したところ,かなり良い相関があることが確認できた。これにより各炭化水素化合物間の相対的な蒸発挙動は飽和蒸気圧で特徴付けられた関係で決まることが示唆された。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.56.32