上演演目データの整理・分類における諸課題:18〜20世紀のオペラ公演を例に

本稿は18〜20世紀ヨーロッパ歌劇場における上演傾向研究の一環として、フィールドワークと文献による興行情報の調査結果をデータ化・蓄積するにあたっての諸問題を提示する。具体的には、ポスターや年鑑からデータを抽出・統合する際、資料の選択、視覚的側面の配慮、項目や備考欄情報の取捨選択、上演言語の特定、作品の改変による紐付けが困難な場合がある。とりわけ、各資料の掲載項目自体が、地域や時代固有の価値観を色濃く反映していることから、それらの価値観の保持は統一的なフォーム作成の意図と相反することがある。様々な資料の比較から得られたこれらの知見を共有することは、データベース作成への新たな視座を提供するものであ...

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Published inデジタルアーカイブ学会誌 Vol. 7; no. 4; pp. e25 - e30
Main Authors 神竹, 喜重子, 大河内, 文恵, 坂部, 裕美子, 岡本, 佳子, 小石, かつら, 荒又, 雄介, 辻, 昌宏, 平野, 恵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published デジタルアーカイブ学会 2023
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ISSN2432-9762
2432-9770
DOI10.24506/jsda.7.4_e25

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Summary:本稿は18〜20世紀ヨーロッパ歌劇場における上演傾向研究の一環として、フィールドワークと文献による興行情報の調査結果をデータ化・蓄積するにあたっての諸問題を提示する。具体的には、ポスターや年鑑からデータを抽出・統合する際、資料の選択、視覚的側面の配慮、項目や備考欄情報の取捨選択、上演言語の特定、作品の改変による紐付けが困難な場合がある。とりわけ、各資料の掲載項目自体が、地域や時代固有の価値観を色濃く反映していることから、それらの価値観の保持は統一的なフォーム作成の意図と相反することがある。様々な資料の比較から得られたこれらの知見を共有することは、データベース作成への新たな視座を提供するものであろう。
ISSN:2432-9762
2432-9770
DOI:10.24506/jsda.7.4_e25