横隔神経発症の神経鞘腫に対してロボット支援下手術を施行した1例

神経鞘腫は胸腺腫,奇形腫についで高頻度に見られる縦隔腫瘍であり,後縦隔に発生することが多い.また,腫瘍は交感神経,あるいは肋間神経より発生することが多く,横隔神経から発生した神経鞘腫は稀である.症例は40歳代女性.2021年のCT健診で4 cm大の縦隔腫瘤を指摘されたため手術目的で当科へ紹介となった.2017年からのCT健診では経時的に腫瘤の増大を認めた.胸部MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像では辺縁が高信号,内部は不均一な低信号であった.PET-CTでは局所的にFDGの集積(SUV MAX 3.95)を認めた.これらの画像検査から胸腺腫疑いとして,ロボット支援下胸腺胸腺腫摘出術を施...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 37; no. 5; pp. 472 - 478
Main Authors 並木, 賢二, 丸井, 努, 岩田, 尚, 白橋, 幸洋, 山本, 裕崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸器外科学会 15.07.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.37.472

Cover

More Information
Summary:神経鞘腫は胸腺腫,奇形腫についで高頻度に見られる縦隔腫瘍であり,後縦隔に発生することが多い.また,腫瘍は交感神経,あるいは肋間神経より発生することが多く,横隔神経から発生した神経鞘腫は稀である.症例は40歳代女性.2021年のCT健診で4 cm大の縦隔腫瘤を指摘されたため手術目的で当科へ紹介となった.2017年からのCT健診では経時的に腫瘤の増大を認めた.胸部MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像では辺縁が高信号,内部は不均一な低信号であった.PET-CTでは局所的にFDGの集積(SUV MAX 3.95)を認めた.これらの画像検査から胸腺腫疑いとして,ロボット支援下胸腺胸腺腫摘出術を施行した.悪性腫瘍の左横隔神経への浸潤も否定できず,合併切除した.迅速病理では神経鞘腫の診断であった.術後経過は良好で6PODに退院となった.稀な横隔神経発症の神経鞘腫の手術例を経験したので文献的考察を交えて報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.37.472