選手が考える運動部活動指導者に対する信頼と依存
「緒言」 近年, 運動部活動における体罰などのパワーハラスメントが問題視されているにもかかわらず, 体罰を肯定してしまう学生は一定数いることが明らかになっている(高橋・久米田, 2008). 高橋・久米田(2008)は, 要因として選手と指導者間の信頼関係を指摘している. 信頼とは「特定の当事者がもう一方の当事者の行為に対して無防備でいる心構えのできている状態」(Zhang & Chelladurai, 2013)である. 一方で, 服従関係となり得る恋人関係に着目した研究では, 恋人の暴力行為を「暴力」と認知しない傾向が現れる要因の一つとして, 依存的恋愛観の強さが指摘されている(松...
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Published in | 応用心理学研究 Vol. 48; no. 2; pp. 112 - 113 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本応用心理学会
30.11.2022
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Summary: | 「緒言」 近年, 運動部活動における体罰などのパワーハラスメントが問題視されているにもかかわらず, 体罰を肯定してしまう学生は一定数いることが明らかになっている(高橋・久米田, 2008). 高橋・久米田(2008)は, 要因として選手と指導者間の信頼関係を指摘している. 信頼とは「特定の当事者がもう一方の当事者の行為に対して無防備でいる心構えのできている状態」(Zhang & Chelladurai, 2013)である. 一方で, 服従関係となり得る恋人関係に着目した研究では, 恋人の暴力行為を「暴力」と認知しない傾向が現れる要因の一つとして, 依存的恋愛観の強さが指摘されている(松並, 2020). よって, 選手の信頼も状態によっては依存として捉えることができるのではないかと考えられる. 依存とは, 面倒をみてもらいたいという広範かつ過度な欲求がある状態である(公益財団法人先端医療振興財団臨床研究情報センター, 2018 ; American Psychiatric Association, 2013). |
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ISSN: | 0387-4605 2433-7633 |
DOI: | 10.24651/oushinken.48.2_112 |