胸骨ワイヤー抜去時に出血をきたした仮性動脈瘤の1例

症例は41歳,女性.2012年1月,Stanford A型急性大動脈解離を発症し,他院にて緊急上行大動脈置換術+大腿動脈-大腿動脈バイパスが施行された.同年4月のCTにて上行大動脈の人工血管中枢側吻合部の仮性動脈瘤を指摘され,当院に紹介された.仮性動脈瘤の増大および大動脈閉鎖不全の悪化にて手術目的にて入院.術中,再開胸時にワイヤーを解いたところ,ワイヤー孔から大出血をきたし,吻合部仮性瘤内に胸骨ワイヤーが埋没していたものと考えられた.その後,大腿動静脈経由にて体外循環を開始し,大動脈基部置換術+CABG×1を施行した.術後創感染にてVAC療法を要したものの第50病日に軽快退院となった....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 6; pp. 1523 - 1526
Main Authors 末松, 義弘, 河田, 光弘, 岡村, 賢一, 森住, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
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Summary:症例は41歳,女性.2012年1月,Stanford A型急性大動脈解離を発症し,他院にて緊急上行大動脈置換術+大腿動脈-大腿動脈バイパスが施行された.同年4月のCTにて上行大動脈の人工血管中枢側吻合部の仮性動脈瘤を指摘され,当院に紹介された.仮性動脈瘤の増大および大動脈閉鎖不全の悪化にて手術目的にて入院.術中,再開胸時にワイヤーを解いたところ,ワイヤー孔から大出血をきたし,吻合部仮性瘤内に胸骨ワイヤーが埋没していたものと考えられた.その後,大腿動静脈経由にて体外循環を開始し,大動脈基部置換術+CABG×1を施行した.術後創感染にてVAC療法を要したものの第50病日に軽快退院となった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.1523